手指リハビリテーション・ロボットの開発

2019.11.27

函館市医師会 看護リハビリテーション学院 設置準備室 石田 裕二室長が、函館高専で行われた「福祉工学会」(2019.11.23)において特別講演を行いました。

 

テーマは「中枢神経機能をふまえた手指リハビリテーション支援装置の開発」

 脳血管障害の後遺症である「片麻痺」の手指の在宅リハビリテーションに着目した自主練習装置です。

このリハビリテーション支援装置の開発は2014年から函館市医師会病院リハビリテーション課と公立はこだて未来大学および函館工業高等専門学校の3者が「医工連携」の一環で取り組んでいます。

 その後2017年に函館市医師会と公立はこだて未来大学および函館工業高等専門学校は「包括連携協定」を締結し、これを機にさらに研究や勉強会などを密に行っています。函館市医師会のリハビリテーションの職員と未来大と高専の教授や学部生、大学院生の方々と頻回に活動し、毎年各方面の学会で成果を発表しています。

 

公立はこだて未来大学と函館高専とともにリハビリテーション・ロボットを開発しています

 3者で取り組んでいる「手指リハビリテーション支援装置」は作業療法士による提案のもとに、未来大学の学生が装置のプロトタイプを作成し、妥当性の評価を未来大学大学院の博士課程の大学院生が取り組み、現在に至っています。

 医療(函館市医師会)・情報科学(未来大)・工学(函館高専)の情報を持ち寄り、必要とする人々のニーズを調査しながら実験と研究をすすめています。

手指リハビリテーション・ロボットの実験風景

 

在宅におけるリハビリテーション・ロボットは重要な取り組み

 リハビリテーションは、今後リハビリテーション・ロボット活用の取り組みも学ぶ時代に突入しつつあります。医工連携の象徴であるこのリハビリテーションロボットの取り組みは、全国的に見ても取り組んでいる大学は数が少なく、実用性を伴うリハビリテーション・ロボットとなるとほとんどありません。

 

研究は多岐にわたります

 3者の職員、学部生、大学院生は、このリハビリテーション・ロボット以外にも現在も多くの研究を手掛けています。

 函館工業高等専門学校では脳機能の血流動態を検知できる「光トポグラフィ」がありますが、作業療法士が函館高専の指導の下「脳機能」についての実験データを取得したり、高齢者が日ごろの自分の筋力を簡便に計測できる筋力計測装置の開発、身体活動の状況を把握できる加速度計を応用した活動量計の開発など実験研究テーマは多岐に渡ります。

公立はこだて未来大学で月に1回は研究の打ち合わせを行っています     写真は研究打ち合わせの一コマ(三上研究室にて)設置準備室の職員と教授・学部生および大学院生が資料を持ち寄り、ディスカッションしています
別の日の研究打ち合わせ

研究を当学院の学生とともに発展させたい

 函館市医師会 看護・リハビリテーション学院は、この活動に取り組むことでリハビリテーションに求められる時代のニーズをとらえ、医療の立場から情報科学および工学分野に参画できるマルチな理学療法士や作業療法士を育成できるよう、活動を発展させていきます。来年から当学院で学ぶ学生自身が居住している地域の医療福祉に目を向け、何を求められているのかを敏感に察知し、柔軟に対応できる能力の一つが身につくと考えています。

函館高専での光トポグラフィで脳機能を調べる実験

 

 

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